囚われのサンタクロースたち

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 大型部門と小型部門の「民族移動」をおこなった後も、システム360の製品プランはまとまらなかった。あまりに野心的・革命的な目標のため、検討課題が多すぎたのである。計画策定を命ぜられた委員会SPREADは、クリスマスの2週間前になっても結論が出せないでいた。

 計画を指揮するヴィン・リアソンは、委員会のメンバーを、コネチカット州のモーテルに缶詰にすると、
「全員一致の結論が出るまで、帰ってくるな」
 と、申し渡した。

 クリスマスを目前に控え、家族から隔離されてしまった委員会の面々は、死に物狂いで報告書を作成した。彼らがまとめあげた報告書は、のちにIBMの世界的な覇権を確立する製品となる。だが、ようやく報告書を提出して娑婆に帰ったときには、すでにクリスマスは終っていた。

※この文章はカゼの秀丸さまのご厚意でここに掲載させて頂きました。著作権はカゼの秀丸さまに帰属します。


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