荒療治

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 システム360開発は、IBMの社運を賭けたプロジェクトだった。大型システムから中型、小型まで、一貫して互換性のある設計が求められた。そのため、全社的な協力体制が不可欠だったが、社内の意見はまとまらなかった。大型部門と小型部門のあいだで、設計方式をめぐって、深刻な対立が起きてしまったのである。両者のトップ技術者は、互いの設計哲学を譲らず、溝は深まるばかりだった。

 業を煮やした副社長ヴィン・リアソンは、両部門のトップ技術者を、互い違いに入れ替えた。大型部門の主要技術者を小型部門に、小型部門の主要技術者を大型部門に移籍させたのである。両部門の技術者は、当初は戸惑ったが、しだいに相手の技術力の高さを理解し、尊敬しあうようになった。

※この文章はカゼの秀丸さまのご厚意でここに掲載させて頂きました。著作権はカゼの秀丸さまに帰属します。


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