おいしい話

戻る ホーム 上へ 進む

 

 若きハーマン・ホレリスは、内務省の国勢調査室で働いていた。彼はつねづね、「何か大きなことを成し遂げたい」と考えていた。彼の上司であるジョン・ショウ・ビリングス博士は、何年もかかる国勢調査の集計を、機械化してスピードアップする方法を考えていた。

 1881年の夏、ビリングス博士はホレリスを夕食に招いた。娘のケイトが作ったチキンサラダをつつきながら、博士は自分のアイデアを開陳した。それは、カードにあけた穴の位置で情報を表現し、これを機械で分類するというものだった。これは、のちのパンチ・カード・システム(PCS)のアイデアである。

 野心家のホレリスは、このアイデアに飛びついた。
「ボス、このアイデアを、ぼくが実用化してもいいですか?」
 ビリングス博士は、これを快諾した。博士は、自分の仕事を合理化することに関心があったが、特許をとって金儲けをしようという気はなかった。ホレリスは、言葉どおりにPCSの製品化に成功し、のちにIBMの土台となる会社を設立する。

 博士の愛娘ケイトは、ホレリスの飾らない人柄と、がつがつとチキンサラダを平らげた食べっぷりに惚れ込んだ。彼女は、のちにホレリスの妻となった。

 後年、インタビュアーから「あなたの成功のもとは何ですか」と聞かれて、ホレリスはただ一言、こう答えた。
「チキンサラダ!」

※この文章はカゼの秀丸さまのご厚意でここに掲載させて頂きました。著作権はカゼの秀丸さまに帰属します。


戻る ホーム 上へ 進む

このホームページは、まだまだ赤ちゃんの段階です。お気付きの点がありましたら、メールか掲示板への書き込みをお願いします。あなたがお持ちの情報をお待ちしております。頂いた情報は、このホームページ並びに将来完成するはずのコンピュータ博物館で使用させて頂くことを明記しておきます。メールはこちらまで