後宮からの誘拐

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 1979年12月、アップル・コンピュータの創業者スティーブ・ジョブズは、アルトのデモンストレーションを見学した。このときのエピソードは、「業績を評価されない天才研究員たちと、その価値を発見した革命児の感動的な出逢い」として描かれることが多い。だが、実態はだいぶ違っている。

 ジョブズが見たデモンストレーションは、当初、素人だましの「骨抜きバージョン」だった。アルトの開発スタッフは、あくまでゼロックス社がアルトを商品化することにこだわり、じぶんたちの発明を他社(アップル)に売り渡すのを恥と考えていた。

 だが、隠蔽工作に気付いたジョブズは、ゼロックス本社に手を回した。ゼロックス上層部は、アップルの株式を取得するのと引き替えに、アルトのスタッフに機密開示を命じる。機密部分を含んだ「完全版」のデモを命じられたアデル・ゴールドバーグは、「あんたらみんな、バカじゃないの?」と叫び、真っ赤になって怒ったという。彼女は上司に食ってかかり、3時間にわたってデモを拒否した。だが、最終的には上司の「命令」という形で押し切られ、憤然としてデモを担当した。

※この文章はカゼの秀丸さまのご厚意でここに掲載させて頂きました。著作権はカゼの秀丸さまに帰属します。


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