忘恩の徒

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 ARPA(国防省高等研究計画局)のIPTO(情報処理技術部)は、コンピュータの優れた研究に対して、おもいきった高額の助成をすることで知られていた。J.C.R.リックライダーやロバート・テイラーは、ARPAのIPTO部長として、多くの研究者を助成し、コンピュータ史に残る成果を上げていた。インターネットも、ARPAの育てた技術である。

 リックライダーもテイラーも、ともにコンピュータの専門家ではなかった。ロバート・テイラーにいたっては、文系出身で博士号も持たなかった。だが、将来性のある研究を見抜く嗅覚は優れていた。テイラーは後に、ゼロックスPARC(パロアルト研究所)で、伝説のワークステーション「アルト」の開発を企画、指導している。

 いまや人工知能の権威であるエドワード・ファイゲンバウムも、ARPAから多大な援助を受けていたひとりである。その彼が、ロバート・テイラーについてこう言っている。
「あなた方はテイラーがゼロックスPARCなどで名声を博した、あの改竄された歴史を信じているんでしょう。当時の彼は、ARPAの情報処理部では例外的な人物とみなされていたのです。博士号ももたずコンピュータ科学のバックグラウンドも持たないような誰かさんが、IPTOの部長に昇進させてもらっていたんですよ」

※この文章はカゼの秀丸さまのご厚意でここに掲載させて頂きました。著作権はカゼの秀丸さまに帰属します。


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