在庫あります

戻る ホーム 上へ 進む

 

 ウェズリー・クラークは1961年に、研究者むけの個人使用コンピュータ「LINC」(Laboratory Instrument Computer)を作った。同機は、4台のコンソールモジュールと、冷蔵庫1台ぶんの本体キャビネットからなり、オシロスコープを流用した5インチディスプレイとスピーカーによって、対話型の利用ができた。
 LINCは、ユーザーじしんが組立てられるように、全体がモジュール構造になっていたという。コスト削減のためと、ユーザーがコンピュータのしくみを学習できるようにという目的があったそうだ。
 ユニークなのは、プログラムの実行状態をスピーカーでモニターする機能や、プロセッサのスピードを加減速するノブまであったことである。じつに面白い機能である。「でも、なぜ、そんな機能を付けたのか」と、ひとから聞かれて、クラークは、
「面白いから」
 と、答えている。
 さらに特徴的なのが、コンソールがとても小さく作られていて、机の上に載せることができたことである。これは当時としては画期的なことであった。LINCはNASAの後援のもと、全米の研究機関に配布された。

 その20年後、アラン・ケイは、「ワークステーションの歴史会議」のディスカッションで、LINCを絶賛している。彼はLINCを、
「世界初のデスクトップ・パーソナル・コンピュータ」
 と言って褒めちぎった。
 ディスカッションに参加していたウェズリー・クラークは、照れ混じりに言った。
「いやー、どうも。ケイ、LINCが欲しくないかい。まだ、何台か残っているんだよ」

※この文章はカゼの秀丸さまのご厚意でここに掲載させて頂きました。著作権はカゼの秀丸さまに帰属します。


戻る ホーム 上へ 進む

このホームページは、まだまだ赤ちゃんの段階です。お気付きの点がありましたら、メールか掲示板への書き込みをお願いします。あなたがお持ちの情報をお待ちしております。頂いた情報は、このホームページ並びに将来完成するはずのコンピュータ博物館で使用させて頂くことを明記しておきます。メールはこちらまで