技術と商売

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 日本語ワープロソフト「松」は、高い技術水準で知られ、国産ワープロソフトの売上ナンバーワンだった。しかし、製造元の管理工学研究所は、職人気質の技術屋集団で、気位が高いことで知られていた。ユーザーから質問の電話が来れば、「わかりもしないくせに買うな!」とどやしつけ、販売店からの問い合わせも、「わかりもしないものを売るんじゃない!」と、切って捨てていた。
 そのため、顧客や販売店からは非難ごうごうで、卸元のソフトバンクでは対応に苦慮していた。

 そこに登場したのが、福岡のジャストシステムが開発した「太郎」だった。ジャストシステムは管理工学研究所とは対照的で、腰の低い前垂れ商法に徹していた。社長みずからが商品をかついで全国をまわり、販売店に商品説明をしたり、売り場でデモンストレーションをしたりしていた。このためソフトバンクは、管理工学研究所を捨ててジャストシステムに乗り換えた。のちに「太郎」は「一太郎」と名を変え、国産ワープロの標準となった。

※この文章はカゼの秀丸さまのご厚意でここに掲載させて頂きました。著作権はカゼの秀丸さまに帰属します。


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