M式キーボード

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3.世間に知られていない大発明M式キーボード

 さて、話が少しとびますが、僕が注目しているものにM式キーボード(現在エルゴフィットキーボードとしてNECから発売中)というものがあります。これは普通のキーボードとキーの配列が全く異なっています。どういった並びかというと、基本部分は片手分で3段5列となっています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 上図のように、左手側に母音、右手側に子音を配置しています。ここまでは、簡単に思いつきそうですが、すごいのはここからで、このキーボードを発明した森田正典さんは、漢語(音読漢字で構成される語)について考察しました。そして漢語を構成する漢字の発音は短く、単音節か、せいぜい第2音節までであること、しかもその第2音節の種類は「う」、「い」、「ん」、「く」、「き」、「つ」、「ち」の7つに限られていることを発見しました。森田さんは、ここで漢字を5種類に分類しました。
・単母音型…単音節のもの(例えば、「可」、「気」、「区」、「個」)
・複合母音型…第2音節が「う」、「い」のもの(例えば、「会」、「空」、「景」、「甲」)
・内音型…第2音節が「ん」のもの(例えば、「完」、「金」、「県」、「混」)
・K型入声音…第2音節が「く」、「き」のもの(例えば、「核」、「蓄」、「的」、「特」)
・T型入声音…第2音節が「つ」、「ち」のもの(例えば、「活」、「窒」、「節」、「卒」)
 これと拗音(「虚」、「京」、「書」、「商」など)を考慮に入れたキーの配置が以下のようになります。

 

Ei

Uu

Ui

Ai

Ou

 

Ek

Uk

Ik

Ak

Ok

 

My

Ry

Py

En

Un

In

An

On

Ky

Sy

Ty

Ny

Hy

Et

Ut

It

At

Ot

Gy

Zy

Dy

By

   2番目のものはシフトキーを押すことで実現しています。また1番目の母音側中央の段はひらがな入力用です。これによって、漢字と仮名を区別して入力することが可能になります。
 このような配列のキーボードにすることによって、漢字一字を左右1回の打鍵で入力することが可能になります。また、日本語の文章の場合、左右交互に打鍵するようになります。
 さて、このように素晴らしい考えの元に作られた
M式キーボードが、なぜ一般的になっていないのでしょう。
 それは、やはり普通のキーボードが普及してしまっていたためと思われます。普通のキーボードに慣れてしまうと、他の方式に移行するのは大変です。僕自身もPC98用に出された楽々キーボード(M式キーボードのPC98版)を購入しましたが、実際に殆んど使っていません。
 はっきり言って、このままM式キーボードではなく、普通のキーボードを使い続けるのは、日本にとって多大なる損失であると考えます。早急に、この事態をなんとかしなければと思います。
(参考文献:これが日本語に最適なキーボードだ  森田正典著)

 

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