意外とお茶目

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 若き日のウェズリー・クラークは、パロアルトのホテルのロビーで、いかにも手強そうな老人が読書しているのを見た。同僚のフランク・ハートは、その老人を見て、
「あれはハワード・エイケンじゃないか」
 と、言った。
 エイケンは、コンピュータの先駆的マシンであるハーバード・マークIを開発した、歴史上の偉人だった。彼は無類の頑固者で、気難しいのでも有名だった。

 クラークは、
「あんな老いぼれの堅物が、こんなところにいるものか」
 と、まぜっかえした。が、ハートはきっとエイケンだと言って譲らなかった。
 そこでクラークは、その老人のそばに歩いてゆき、
「ここにいる友人が、あなたをハワード・エイケンだと言って聞かないんですが……」
 と問いかけると、老人はにっこり笑って、
「そうですよ。あなた方は、私のような老いぼれの堅物が、何だってこんなところにいるのか、不思議に思っているんじゃありませんか」

 これがきっかけで打ち解けた3人は、晩餐をともにし、コンピュータの未来について楽しく語り合った。

※この文章はカゼの秀丸さまのご厚意でここに掲載させて頂きました。著作権はカゼの秀丸さまに帰属します。


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